「もっと、ちゃんと検査しないと」

そう感じてるものの、
どこで何を検査したらいいかわからない。

そんなとき、主人が、
「プレミアム商品券で買いたいものがある」
と言い出しました。

覚えてらっしゃる方も多いはず。

数年前、プレミアム商品券でお得に買い物ができると、
一時期、大人気になったことがあります。

「1万円の商品券で1万2千円分の買い物ができる」

といった、お得な地域振興券です。

これを使って、買いたいものがあると。






この日は、ちょっとしたドライブのつもりでした。

主人は、プレミアム商品券で買い物を。
私は、久しぶりの遠出。
長男は、学校を休んで、家族でお出かけ。

そのついでに、帰りに病院へ寄ってみよう。

そんなつもりでした。

二時間近くかけて、プレミアム商品券の発売場所へ着きました。

発売日を待ちわびていた商品券。
すでに、大行列ができています。

ヘビのように、クネクネ織りなすように続く行列。

一先ず、長男を連れて家族総出で最後尾に並びます。

数分後、長男の顔色がおかしくなってきました。

「疲れたから座りたい」

行列が動く様子もないので、
近くの椅子で待つことにしました。

この間、長男はキツイと言いつつも、
飲んだり食べたり、楽しそうに話したりしていました。

「ただ疲れただけ」

本当にそんな感じで、
至って、普通の小学生。

「あら?今日は学校は?」
なんて、声を掛けてくれるお婆ちゃんもいるくらいの
本当に普通の小学生の様子でした。

その後、無事に商品券を手に入れ、
その足で、主人が欲しがっていた商品を注文。

用事はすぐに済んだので、
その足で病院へ向かうことにしたのです。

自宅と買い物したお店の、
ちょうど中間地点に病院はありました。

「総合病院がダメならば、専門病院だ」

そう判断した私たちは、
一箇所にたくさんの開業医が並ぶ、
「ホスピタルデパート」のような場所をチョイスしました。

共同の駐車場。
だだっ広い敷地に、
小児科、眼科、消化器内科、そして、脳外科などがあるところです。

「ここならば、どこかで何かが見つかるだろう」

そう期待をして、脳外科のドアを開けたのです。


私たち夫婦は、このときのことを、
とても後悔しています。

「病院で待つかもしれない」
「あとからご飯を食べた方が、ゆっくりできる」

そう思った私たちは、
お昼ごはんより先に病院へ行ったのでした。

運が悪いことに、
このとき、ちょうど小雨が降ってきました。

「ご飯を食べる場所を探すより、先に病院へ行ってしまおう」

よもや、このあと、
数日間、長男はご飯を食べられなくなるなんて、
この時は思いもしなかったのです。

こうなるんだったら、
先に食べておくんだった。

長男が好きなものを、
お腹いっぱい、食べさせてやるんだった。

一生続く。

後悔は消えない。